PR

タミヤ 1/35 ドイツ歩兵セット(大戦後期) 完成品

AFVプラモ
記事内に広告が含まれています。

タミヤ 1/35 ドイツ歩兵セット(大戦後期) 完成品

Wehrmacht Infantry / Airbrush & Citadel Colour

タミヤ ミリタリーミニチュアシリーズ No.382、ドイツ歩兵セット(大戦後期)から1体を仕上げた。全身を覆うツェルトバーンの迷彩パターンと、G.43を抱えて立つ大戦末期らしいポーズが刺さって手に取った1体。エアブラシでベースを吹いた後、細筆でフリーハンドの迷彩を描き込み、シタデルカラーで全体を仕上げた。プレミアムトップコート(つや消し)で〆た完成品のレポートを記録する。

■ キット概要

メーカー:TAMIYA(田宮模型)
シリーズ:ミリタリーミニチュアシリーズ No.382
スケール:1/35
キット名:ドイツ歩兵セット(大戦後期)/ GERMAN INFANTRY SET (LATE WWII)
素材:ポリスチレン(スチロール樹脂)
フィギュア姿勢:起立・ツェルトバーン着用・Kar98k携行
主な装備品:Kar98k、弾薬盒、ツェルトバーン、Stielhandgranate 24、飯盒、ガスマスクケース
塗装方法:エアブラシ+筆塗り(シタデルカラー)
仕上げ:GSIクレオス プレミアムトップコート(つや消し)

■ 背景解説

大戦後期のドイツ陸軍歩兵は、補給難・兵員不足という過酷な状況の中で東部・西部双方の戦線に投入された。本キットはそうした末期の兵士を再現しており、装備の随所に大戦後半の特徴が見られる。フィールドグレーの野戦服を覆うツェルトバーンの迷彩、使い込まれた革製の弾薬盒、そして一兵卒が当然のように携行していた柄付手榴弾——これらが組み合わさることで、1944〜45年の前線歩兵のシルエットが形成される。

タミヤのミリタリーミニチュアシリーズは1960年代から続く看板ラインナップで、No.382もビネット・ジオラマのスタンダードとして長年支持されてきたキット。パーツ割りはシンプルで合わせ目処理も容易、初めてフィギュアに挑戦するモデラーにも適している。

■ 装備品の解説

🔫 Gewehr 43(G43)

大戦中期以降に採用されたガス圧作動式の半自動小銃。Kar98kのボルトアクションから脱却し、10発の着脱式箱型弾倉による連射を可能にした。東部戦線でのソ連軍半自動小銃との交戦経験が開発を後押ししたとされ、大戦後期の歩兵部隊に広く配備された。木製ストックはダークブラウン系でウォッシングして木目感を、金属部分はドライブラシで使い込まれた質感を表現した。

🎒 弾薬盒(Patronentaschen)

腰ベルトの前面左右に各3個、計6個を装着する革製ポーチ。Kar98k用の5発クリップをそれぞれ収納する。大戦後期になると革製から布製・合成材料製への切り替えが進んだが、革製のものも広く使われ続けた。塗装はダークブラウン系のベースからシェードを入れ、エッジをライトアップすることで革特有の光沢感と使用感を表現している。

💣 Stielhandgranate 24(柄付手榴弾)

「ポテトマッシャー」の通称で知られるドイツ軍の手榴弾。木製の長い柄の先端に金属製爆薬缶を取り付けた独特の形状を持ち、柄を持って投げることで遠投が可能だった。ブーツのシャフトやベルトに差し込んで携行するのが一般的で、このスタイルが大戦ドイツ兵を象徴するシルエットのひとつになっている。

🪖 その他の装備品

・ガスマスクケース(Gasmaskenbehalter):右側腰部に装着するスチール製円筒ケース。末期には中身を抜いて私物入れにする兵士も多かった。
・飯盒(Kochgeschirr):背面上部に装着するアルミ製飯盒。調理・食事兼用で、チッピング表現が映えるパーツ。
・水筒(Feldflasche):フェルト製カバーに包まれた標準水筒。サンドイエロー系の塗装でくたびれた布地感を表現した。

■ ツェルトバーン(Zeltbahn)について

このフィギュアで最も目を引くのが全身を包む迷彩布——ツェルトバーン(Zeltbahn)だ。

ドイツ語で「テント布」を意味するこの装備は、三角形の防水キャンバス地でできており、本来は複数枚をスナップボタンで連結してテントを張るための野営用品だ。しかし前線の兵士たちはこれをポンチョとして羽織ったり、地面に敷いてビバークに使ったり、担架代わりにしたりと多用途に活用した。軽量で畳めばコンパクトになることから、ドイツ兵必携の装備として大戦を通じて使われ続けた。

迷彩パターンは製造時期・メーカーによって複数のバリエーションが存在する。

・Splittertarnmuster(分割迷彩):鋭角的な多角形パターンが特徴の初期型。1931年頃から採用。
・Sumpftarnmuster(湿地迷彩):丸みを帯びたアメーバ状スポットが特徴。大戦中期以降に普及。
・Rauchtarnmuster(スモーク迷彩):細かく複雑なパターンを持つ大戦末期型。

今回は大戦後期らしいブラウン・オリーブグリーン系のパターンを選択。エアブラシでベースカラーを均一に吹いた後、細筆でフリーハンドの迷彩スポットを描き込み、全体にシェードを入れてウォッシング。最後にドライブラシでエッジを明るく引いて布地の立体感を強調した。ツェルトバーン特有のドレープ(たわみ・しわ)の凹凸を活かした陰影づけが、仕上がりを左右する最重要工程だった。

■ 塗装・ウェザリング解説

塗装全体の流れはエアブラシによるベース吹き→シタデルカラーの筆塗りで仕上げ、という構成。ツェルトバーンの迷彩はエアブラシで下地を整えた後、細筆によるフリーハンドで各迷彩スポットを描き込んでいる。全体のウォッシングはシェード系カラーを薄めて使用し、パーツ間に統一感と深みを出した。

顔の肌はフレッシュ系のベースカラーからシェードでウォッシング、明るい肌色を数段階でレイヤリングして完成。白目を入れてから黒で瞳を点打ちする工程は、1/35スケールでは照明と拡大ルーペが必須だ。

Kar98kの木製ストックは赤みがかったブラウン系で塗り、ウォッシングで木目感を演出。金属部分はダークグレー系からドライブラシで鈍い金属感を表現した。革製品はダークブラウン系をベースにシェード+エッジライトアップで仕上げている。

全塗装完了後、GSIクレオス プレミアムトップコート(つや消し)を2回吹き付けて完成。つや消しコートを吹くことでギラつきが消え、布地の質感・革の渋さ・金属の鈍い光沢がひとつにまとまった。

■ 各アングルギャラリー


▲ 正面。ツェルトバーンの迷彩パターンとKar98kの造形が確認できる


▲ 背面。飯盒・水筒・など背面装備の配置。ツェルトバーンのドレープ表現が映える


▲ 斜め。ツェルトバーンのシルエットと弾薬盒・ベルト類の立体感が確認できる

■ まとめ

定番キットでありながら、ツェルトバーンの迷彩を丁寧に描き込むことで、ほかにはない自分だけの1体に仕上げることができた。装備品ひとつひとつに歴史的な背景があることも、フィギュア製作の大きな醍醐味だと改めて感じた作業だった。

同セットには複数のポーズが収録されており、次は別ポーズへの挑戦を予定している。またアップする。

タイトルとURLをコピーしました